【読書感想文】政治改革の熱狂と崩壊 とアベノミクスの終わり方

時々、期待しないで手に取ってみたものの、読み込むと止まらない本があります。

この本は自民党時代は田中角栄に仕え、その後は小沢一郎とともに自由党を仕切った藤井裕久氏の著書で、最初は政治家の自慢語録だろうと大して期待せず立ち読み。

気づいたら家の中で読んでた。。恐るべしKADO〇〇WA文庫。

 【政治のサイクル】

藤井裕久氏は大蔵官僚時代を含め、1960年~2000年代前半まで計40年も政局を見守ってきただけあって、文章は臨場感に富んでいます。とりわけ印象に残ったのが、政治も経済のように循環するものであり、

夢を売る政治家とそれを尻ぬぐう政治家

が必ず大別される。象徴的な政治家は田中角栄であり、彼が掲げた「列島改造計画」の名のもと、就任した72年7月から大幅な公共支出の拡大にまい進。

需要拡大に寄与したが、、、、、最後はインフレ率の大高騰を招いてしまった(下図)。

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(出所:統計局)

結局、福田、三木、大平など後任の首相が後始末(金融引き締めや財政緊縮)をせざるを得ない羽目になるのである。とな。

藤井氏は、 

夢を売る→民衆が熱狂する→政策が一方向に突っ走る→大規模な副作用が来る

のパターンは繰り返されてきたとしている。

 

アベノミクス

翻って現在。 アベノミクス田中角栄と同じようなパターンを辿りつつあるとの警鐘を藤井氏はならしており、40年のうんちくを見せつけられると納得感がある。

では、アベノミクスが引き起こす大規模な副作用は何だろう?

様々な意見が出されていますが、個人的には建設関連を除く内需産業の苦境だと思います。日銀の短観(企業の業況を示す)が2007年来の高水準になって話題となっていましたが、波に乗れている産業とそうでない産業の差ははっきりしつつあります(下図)。

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(出所:日本銀行

早い話がスーパー金融緩和策とそれに伴う円安で潤う産業と、全く恩恵を受けれない中で非正規雇用者の賃金上昇に苦しむ産業(主に小売業)と大別されていくわけです。しかも、円安で潤う企業は労働者に配分せず、海外進出を積極化していくので国内にお金は回らず、 内需産業の業況は改善せず。

最後は人件費の高騰に耐えられず内需関連産業における企業業績の大幅な悪化で「アベノミクスという熱狂」は終了すると妄想しています。

 

書きながら今年のボーナスが心配になってきた。いやだ。寝よ。