【読書感想文】100年予測 とアメリカが中東を平和にしない理由

地政学」は胡散臭い学問と思っていましたが、この本を読んで全く印象が変わりました。まじmust readな本です。

フィクションで有名なハヤカ〇文庫から「ノン・フィクション文庫」というカテゴリーで出版されています。(この区分がある時点でハヤカ〇自身は、自分の立ち位置をよくよく理解しているものだと思われますな。さすが)

つらつらと感想文を書こうとしているときにホットな話題が中東から2つ出てきたので、これを題材に見ていきましょう。

【米国の中東に対する基本姿勢】

米国とトルコ、ほぼすべてのビザ発給を互いに停止 - BBCニュース

イラン 米国が核合意離脱なら対抗措置もあり得る - Sputnik 日本

いずれも米国が中東2大国に対して圧力を強めるとの報道。米利上げでトルコの資金繰りが懸念される中、中東情勢に他する不安も相まって、為替市場ではトルコリラが対ドルで3.4近辺から3.7近辺まで▲8.9%売り込まれています。

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(出所:Yahoo! Fiance 10月13日時点)

しかし、なぜ米国は中東に対して混乱を引き起こしてばかりなのか?

オバマ前大統領は違う?いいえ。彼は従前の大統領より「非積極的に関与」しただけで、中東問題を根本的に和平へ向かう道筋は建てていません。

おかしくありません?フセイン政権を数週間で打倒できる米国の力をもってすれば、中東を制する親米勢力の台頭を擁護することは十分に可能なはず。なぜそうしないのか。

 

ノン・フィクション・モードのハヤカワ、、、、もとい

「100年予測」の筆者であり「影のCIA」と呼ばれたジョージ・フリードマン氏はズバリ

 

米国の外交戦略の基本は

「世界に米国以外の大国は作らない。そのため、各地域はほどほどに混乱していたほうが良い」

と述べます。

中東に親米勢力が仕切って平和が来るより、各国がお互いにらみ合って勢力を潰しあってくれるほうが望ましいのです。

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(出所:Google Map)

中東の地図を見ながら歴史を振り返れば、わかります。

面積だけが国力を示すわけではないですが、ほぼイコールとみなすとリビア、エジプト、サウジアラビアイラク、イラン、トルコが中東の大国といえます。そしていずれも戦後に力をつけていきましたが、、、

2003年、イラクは米軍の進行(イラク戦争)でフセイン政権が瓦解。

2011年、エジプトは国内の反政府勢力によりムバラク政権が崩壊。

リビアカダフィ大佐の下、核武装まで行いましたが、同じく2011年に欧米連合軍の軍事的介入に屈しました。

残るはサウジ、トルコ、イラン。サウジは親米国。となれば、米国が押さえつけるべきは消去法でトルコ、イランしか残らない。だから2か国への圧力は継続する。

 

というわけで、中東に平和は訪れないわけですが、フリードマン氏いわく「最後はトルコが台頭してこの地域を制する」だそうです。

信じますか?ハヤカ〇を(くどい)

 

なお、ハヤカワ・ファンアジー文庫は好きです。以上。