【読書感想文】歴史に消された18人のミステリー と最近の企業不祥事

私、読むと止まらない分野がありまして。ファンタジー、推理、歴史なんですよ。(会社で推薦される「ビジネスで○○!」の類の本は目次だけで満腹感が出しまうタイプ)

 

本書はまさしく歴史と推理の掛け合わせもの。牛丼でいうとつゆだくだく、卵のせ、大盛り状態です(不健康イエーイ)。取り上げられた18人の内、奥州藤原氏の最期を招いた藤平͡泰衡、坂本龍馬を育成した河田小龍三井財閥を作り上げた三野村利左衛門といったマニア心をくすぐるチョイスがあるのも嬉しいですね。

 

マニア心の赴くままに感想文を書きあげたいところですが、それでは本書のいいところが伝わりません。そこで「坂本龍馬」の項を用いて、本書の教示を探っていきたいと思います。

 

【歴史や物事を捉える時の要点】

 執筆者の中津文彦氏いわく、歴史の重要イベントは遠景、中景、近景に分けてとらえるべし、としています。例えば、龍馬暗殺事件の真犯人は?という事象に対しては

近景→事件の模様 中景→当時の京都市の状況 遠景→時代背景

(近景)事件の模様だけに着目すれば、事件現場に新選組の下駄と太刀が残されており、犯人は新選組とするのが妥当。

(中景)しかし、当時の京都市新選組より公的な組織として見廻り組がいた。当時の龍馬は公式にお尋ね者であり、見廻り組が常にマークしていたはず。なぜ、暗殺だけを新選組に任せるのか。

(遠景)さらに時代背景をみると、龍馬や勝海舟を中心に軍事行動を避け、平和的に幕府体制の撤廃を主張する「廃幕派」、軍事的決着を望み幕府体制の徹底的な消滅を主張する薩摩藩を中心とした「倒幕派」に分かれていた。見廻り組内にも様々な主張があり、当然「倒幕派」もいたとすると。。。

より詳細な推理は本書をお読みください。推理本は謎が解けるスカッと感がいいですね。もう牛丼につゆを・・・以下略。

【企業不祥事にも同じ要点が当てはまる?】

 最近、大手自動車や鉄鋼会社の不祥事が報道されていますね。神戸製鋼の件を例に同じフレームワークを使って、不祥事の真の要因を探ってみましょう。

近景→不祥事の内容 中景→当時の企業内組織の状況 遠景→会社を取り巻く状況

 (近景)不祥事の内容は報道の通りアルミ・鉄鋼・銅事業でデータ改ざんが行われました。では担当者が自分の保身のためにデータを操作した、と片付けてよいのでしょうか。

(中景)指摘されるのは神戸製鋼が素材メーカーの中でも保有する分野数が多く、縦割り組織になっていたことです。縦割りは各組織の専門化や部門ごとの競争心を向上させる一方、他部門に勝ちたい誘因が強くなり横連携がとりにくいという弱点があります。

(遠景)神戸製鋼は2期連続で赤字を出していました。金融庁の指針などに基づけば債権を破綻先の手前である要注意先に分類する可能性が出てきます。ここで見込み通りの収益を出せなければ銀行から貸出を受けれなくなるか、受けれても貸出金利の引き上げを余儀なくされるかの状況に陥っていたと推測できます。

本来であれば、業務を絞って効率化し、捻出した資金で赤字の主因となっている中国事業の貸倒引当金に充当するのでしょうが、恐らく縦割りし各部門の縄張り意識がつよい組織ではできなかったのでしょう。結果、現場の収益圧力が強まり、最終的にデータ改ざんを招いたと思われます。あくまで、推論ですが。

決算期 売上高 営業益 経常益 最終益 1株益 1株配 発表日
△1999年3月期~2013年3月期を表示
     2014.03 1,824,698 114,548 85,044 70,191 22.6 4 14/04/25
     2015.03 1,886,894 119,460 101,688 86,549 23.8 4 15/04/28
     2016.03 1,822,805 68,445 28,927 -21,556 -5.9 2 16/04/28
     2017.03 1,695,864 9,749 -19,103 -23,045 -63.5 0 17/04/28
  予  2018.03 1,880,000 80,000 55,000 35,000 96.6

17/07/28

(出所:Kabutan.com 神戸製鋼所 (神戸鋼) 【5406】:決算/業績・財務推移 [通期/半期/四半期] | 株探)

 

歴史はミステリーに富んでいるのでやめられません。止まりません。

なんのこっちゃ。

以上です。